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●英国 Szeiler Studio/ツェイラー スタジオのドリッピングポット



嬉しい買い付けでの再会の一点です。

数年前、初めてイングランドの地方のアンティークフェアで見つけた時、

目が釘付けになりました。


「ナニコレ・・・⁉」



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蓋の付いた陶器製の牛とブタのポット。

それぞれ、蓋の頭に「BEEF DRIPPING]」「PORK DRIPPING」と。

ディーラーさんに尋ねると、お肉を焼いた時に出る脂を、
ストックしておくための容器だそう。



●英国  Szeiler Studio/ツェイラー スタジオのドリッピングポット_c0360867_13073910.jpg



伝統料理、ヨークシャープディングも焼き型に塗って使ったり、

他の料理にも使うのだそう。昔ながらのおばあちゃんの知恵袋☆




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用途も英国ならでは、なのですが、このデザイン・・・。


つやつやのビスケット色の地肌に、

牛は白目くっきりの男前風。


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 耳がピーンの上目遣いのブタ・・・。


 



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目と目の間のお肉のしわがリアルです・・・。






制作は、1951年にイングランドの陶器の里、ストーク・オン・トレントに

始まった、Szeiler studio/ツェイラースタディオのハンドメイドです。

創業のジョセフ・ツェイラー氏の死去とともに1980年代に姿を消しています。


Szelierの綴り、英国っぽくないと思ったら、

こちらのツェイラー氏、1924年のハンガリー生まれ。ブダペストの大学を卒業後、

英国に24歳の時に渡り、最初は炭鉱夫として働いていたそう。

職を探して、陶器の里ストーク・オン・トレントで

最初は型作り(モデュラー)の仕事から始め、

いくつもの陶器メーカーで腕を磨き、夜間学校にも通っていたそう。

戦後の英国での外国人として職を見つけるのは大変だったのではと感じます。

凄い苦労人。1951年に自分の窯を作り、その後1957年には英国の市民権を取得しています。

馬や犬、動物などのフィギュアで大人気を得ていたとのこと。


こちらの牛とブタの造形を見ても、ツェイラーさんのデフォルメに

動物への愛情とユーモアを感じます。




後ろ姿もチャーミングです。


●英国  Szeiler Studio/ツェイラー スタジオのドリッピングポット_c0360867_13080729.jpg


ハンドペイントなので、以前買い付けたものと表情が違います。

約30年あまり、たくさんの愛にあふれた作品を作っていたシズラ―さん。


1980年に亡くなられていますが、ツェイラーさんにお伝えしたい。

今あなたが作ったものは、極東の日本でヴァイオレットを生けて、

愛でられていますよ♪と。


●英国  Szeiler Studio/ツェイラー スタジオのドリッピングポット_c0360867_18223609.jpg

  
話が長くなりましたが、古物との出会い、その背後にあるストーリーを知ると、

余計に愛着がわくように思います。

そして、しっかりと愛情をもって

気に入ってくださった方へ、橋渡しが出来ればと・・・。


英国からの発送時、ブタの耳が折れないか心配でしたが、

良い状態です。






●英国  Szeiler Studio/ツェイラー スタジオのドリッピングポット_c0360867_18231254.jpg

1960年代の英国のキッチンに並んでいる姿を想像するのも楽しいです♪


あさっては、筥崎宮蚤の市です。

お天気が少し心配ですが、こちらのポットも連れて行こうかな、と思っています。



新入荷の陶器類8点の詳細は、こちらでご紹介しています☟
http://piskeyvintage.petit.cc/muscat1c/

陶器&ガラスコーナclick!してくださいね☺。















by piskeyvintage | 2016-02-12 18:27 | ●New arrivals! ふるいもの